星の子・あどけなくも得体の知れぬ

 さて、クロスの愛すべきマスコットキャラたちの中から、もう一人挙げるとしたら、私は迷わず星の子を押します。もう、文句なしに可愛いです!動作といい、ビジュアルといい、バトル時のちょろちょろとしたアクションといい……とどめに、思わず脱力しちゃうような光線銃のSE!!すばらしい……(死海でのミゲル戦に連れて行くと、ゲームの世界観を根本から破壊している気分になれます。ダークセルジュ戦もいい感じ)。
 そして何より、あの独特の台詞回しの素敵ぶりに、ちょっと脳天撃ち抜かれました。天龍の島での参入イベントにしたって、いきなり法外な巨大さで出てきたと思ったら、戦闘終了後には、あーんなちびっちゃくなってるし。しかも捕まえた瞬間「ショックー!」と来たもんだ。あれでもう、私の中で一軍入り、決定。前半の基本メンバーがセルジュ・キッド・ラッキーダンだとしたら、後半はセルジュ・キッド・星の子なのだった。ヤマネコ時代にも、貴重な先天属性白ということで、かなり重宝しますし。
 存在自体が反則というか、ホントに何でもありだよなこのゲーム!ということを、かれを見てると非常に強く思わされます(特に固有エレメントとか)。けど、そんな無茶なかれも、やっぱり唐突に「深い」台詞を吐いてしまったりするところが、クロスのクロスたる所以なんでしょう。イベント、じーんとするもの多いですよね。
 もっとも、星の子の「深さ」というのは、かれ自身が内面に何か暗いもの・深いものを持っているから、というよりは、むしろかれと相対するキャラクターが持っているものを、そのままに映し返しているから故、生じるものなのではないかと思います。映し出す「眼」がまっすぐな分、対話したキャラの内面深いところを抉り出すんだろうなと。ツクヨミの「お別れ」イベントはもちろんですが(あのたあいない問いかけが、何とも言えず効いてるよなあ……)、星の塔突入直前の「星の子たち、何のために生きてるンダ?」という短い会話も、かなりぐっと来ます。
 他のキャラクターよりも、いっそう表現が直接的で、一歩間違うとものすごくクサくなってしまう、照れる会話内容を、あのキャラクターが上手に語ってくれている気がします。元々、全パーティメンバー中、星の子ただひとりだけ、この星のいきものではない。セルジュの旅には(ラストで本人も言ってるとおり)、結局成り行きでつきあっているだけなんだという、はじめから少し「離れた」位置に居続けているような感じも、心惹かれるところです。星の歴史と記憶とにかかわらないからこそ、実は一番醒めたまっすぐな目で、主人公たちを見守っているんじゃないかと思うんですよね。
 セルジュが「調停者」なら、星の子は「観察者」というか。ゲーム内の登場人物であり、「現場」にいるひとりではありながら、視点をセルジュと同化させているプレイヤーよりも、更に離れた「外側」から、すべての事象を見守っているような雰囲気がするんです。
 だから、「開発室」エンディングで、星の子の姿をとっているのが、かの人だとわかった時、私は妙に納得してしまった部分がありますね。いや、単純にかわいいから気に入ってるので、という理由なんだろうとは思うんですけど……ちょっと、こう。外部から俯瞰する視点すなわち、物語を生み出した「語り手」の視点。その「立場」の奇妙なシンクロニティは偶然か必然か……なーんて考えてしまったりするのでした。

 いやホントに、単純に、この上なく可愛いらしいキャラだと思うので、だから好き。その他に何を言うことがあろうか……という気もするんですが。純粋に星の子のキャラクターの可愛さを味わえて、何かいい感じに頬が緩んでしまうのが、やはり「プラズマショック」をゲットできる、アルニ村ホームでのイベントですね。あれは星の子本人もさることながら、受け答えする漁師のおじさんが、すごいいい味出してるなと。「チビちゃん、金魚鉢頭にかぶって大丈夫なのかい?顔が真っ青だぜ」なんてもう、浮世離れした会話でたまんないです。
 ただ唯一残念なのは、あれでせっかく「ありがとう」を覚えても、真エンディングではやっぱり「ごちそうさま」と言われてしまうことですね。うーん、あのイベントをクリアした場合は、やっぱりちゃんと覚えた挨拶を使って欲しかったなあ。


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