「ゼノギアス」プレイ後雑感(前編)

データ プレイステーション用ソフト 1998年2月発売
定価¥6、800(税抜) スクウェア

購入前後の感想

 そもそも、私がこのソフトを購入したのは、格別にメカやSFアニメが好きだー!という訳ではなく、ただひたすら、音楽の光田康典氏に惚れ込んでいたからです。RPGはかなり好きなんだけど、プレステ参入以来のスクウェアの在り方には、どうも「なんだかなあ……」というのを感じずにはいられない一人なので、「ゼノギアス」もちょっと……正直、「しばらく様子見」という感じで、発売直後には購入してませんでした。
 一応「チョコボの不思議なダンジョン」に付いてきた、体験版もプレイはしたんですが、たかだか建物が6つしかないラハン村で、さんざん迷いまくった挙句に、戦闘中に2度もフリーズしたので(マスター版じゃないんだから、仕方ないとは言え)一気にやる気を失っていたというのもあります。
 ただ、「クロノ・トリガー」以来、「光田康典・イズ・ナンバーワンゲーム音楽作曲者!」と主張している私としては、彼が久々に手がけた(とゆーか、「クロノ」以来の本格的な仕事というか)このゲームを無視する訳にもいかず……とりあえずゲームよりも先に、サウンドトラックを買いました。そしてやっぱり、「この名曲がゲームのどんなシーンで使われたのか知りたい!」と思って、結局ゲームも購入。……こういう人間も珍しいですかねえ。
 しかしともかく、プレイ前に友人から聞いていた評判は最悪で、曰く「3Dマップ最悪に迷う」「エンカウント多すぎで大変」「とにかく長い、70時間かかる」「……・つーか、これ『エ○ァ』?」と、さんざんなものでした。私も体験版の経験があった為、相当の覚悟を持ってこのゲームに取り組んだ訳ですが。
 そしたら……おもしろいではないか、これが。←失礼な。
 何の先入観もなくプレイしたら、あの「どこを基点にしていいやら3Dマップ」は、相当つらかったんじゃないかと思うんですが、私は最初から覚悟してたので、町ごとに地図描きました。何か、昔の「超不親切で、取説もなくなっちゃってる中古ソフト」とかやってる気分でした。現代のユーザーフレンドリーなゲームに比べると、確かにシステムはおそろしく不親切。迷うわ敵に遭うわで、いやになって投げ出した人も多いのではと、いらぬ心配もしましたが、私個人的には「『サンサーラ・ナーガ2』を思い出せ!」を合い言葉に、最後まで粘りましたよ……。

とりあえず総評

とにかく、文字通り時間を忘れてプレイしまくったディスク1。確かに「ポスト『エヴァンゲリオン』」に位置づけられる作品として(婉曲的表現)、ややしつこいぐらいの心理表現や、キャラの性格が気になったりする箇所もあるにはあったんですが、全体としてはすごくおもしろかったんです。キャラがいい。ボタンによる攻撃の振り分けもなかなか楽しい。ギアは「マイ超合金」って感じでこれまた遊べるし(ヴェルトールの顔はちょっとキライだったけど……)。
 しかも「クロノ」好きだった私としては、セーブデータにサブタイトルがつくだけで感動。シェバトについた時には「ジール王国だ!」と狂喜乱舞。……でもマジに、「クロノ」におけるジール王国の、ヴィジュアル面がシェバトに、国自体が抱えるダークな内部事情がソラリスに、発展的継承を遂げたようにも見えましてねえ……。「三賢者」も、あの名前からすぐに「MAGIシステム」を連想した人の方が多いんじゃないかと思うんですが、私が思いだしたのは「クロノ」の方の三賢者。世を拗ねて閉じこもった人とか、怪しげな機械の開発に取り組んでた人とか、共通項が多いんですよね。スタッフが同じだから当然なんですが。
 結局ディスク1だけで70時間以上もかけました。そして「問題」のディスク2。
 ……こちらも前評判はさんざん、聞いてはいました。「サウンドノベルだ」とか「電脳紙芝居」とか。覚悟はしてたんですが、ですがー……うーん、ウワサ通りものすごいシロモノ。とにかくプレイヤーの介入する余地ゼロ。ただテキスト読み続けるだけ。ただ○ボタン押してるだけ。
 私は元々は、スクウェアソフトを中心とした、いわゆる「自由度の低いRPG」ってキライじゃないんですけど。ストーリーさえしっかりしていれば、強制イベントの連続で話が進んで行っても、それほど気にならないんですが、これにはさすがに参ってしまいました。とにかく何もできない……時々強制的にボス戦戦って、ダンジョンの一部だけ探索して、そしてまたサウンドノベル。ああ。
 ひたすらユグドラシルが懐かしかったです。たとえストーリーが半強制的で、「次はそのダンジョンに行くしかない」と決められてしまっている場合でも、自分でショップ行って装備整えて、自分でユグドラシル操作して……という「過程」がいかに大事なのかというのを思い知りました。途中でヤケになって、「ボス戦だけ戦わされても虚しいしさ、いっそボス戦もムービーかなんかで、自動的に見せてくれればいいんだ」と毒づいた直後に、エリィ略奪イベント……。ちょっと言霊の恐ろしさに脅えました。←違うって。
 この展開を指して「RPGの表現の限界に挑戦」とゆーよーなことを書いてたゲーム誌がありましたが、かなり苦しいフォローだと思います。最初の10分ぐらいまで(ラカンとソフィアの回想シーン)なら、「こういう演出法」で納得もできます。けど後半のストーリー全部あれで押し通すのは、ゲームとしての表現は放棄したと見られても仕方がないでしょう。少なくとも、見ている方に「これはもしや……制作が間に合わなかったのでは……」などという疑念を抱かせてしまうようでは、演出として失敗です。(そう思った人、結構いますよね……?少なくとも私はそう思いました)
 プレイヤーの介入する余地が全くない。というか、プレイヤーがそこに存在している意味もない。○ボタン固定して置いたら、勝手にラストまで行ってしまうじゃないか。ラムサスが何度か「俺の居場所は!」と騒いでましたが、「それより私<プレイヤー>の居場所を捜してくれよ……」と画面につっこみたくなる始末です。
 ストーリー自体はやや説教臭い部分も多かったりですが、全体としてはまとまっていて、「FFZ」のような矛盾もない。キャラにもかなりの魅力があるし、ディスク2がまともでさえあったら、もっとずっと高い評価を得られたのではと思いました。何か、すっごくもったいない……。とりあえず今のままでは、友人にもちょっと勧めにくいソフトになってしまっています。残念。


(注)『サンサーラ・ナーガ2』
94年発売のSFC用「ドラゴン育成RPG」。年代的にはそれほど古いゲームじゃないけど、ゲーマー暦の短い私にとっては、最古に近いソフト……ただし、このゲームの監督の押井守がレゲー派なんで、テイストはかなり「レトロ&ストイック」。システムとストーリーは楽しいが、敵エンカウントの激しさとマップの難しさはとんでもない。
実は私、第五階層の空の迷路でザセツしました。このソフト、主人公にある特定の名前をつけると、デバックプレイができるって話を、昔ネットの何処かで見たんですけど……詳細ご存じの方、教えて下さい。


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