「ゼノギアス」プレイ後雑感(後編)

「Goo」な部分その1……キャラクターの魅力

 やはり、このゲームをプレイして一番印象に残るのが、キャラクターなんじゃないかと思うんですよ。昔から「ストーリー志向」だったこともあって、キャラの作り方は、さすがにスクウェアは上手い。ただ、この「ゼノギアス」に関しては、全体的に男性キャラが目立っていて、妙齢の女性キャラがちょっと少なすぎる気がしました。
 ヒロインのエリィの存在は大きいんですが、それ以外のパーティメンバーの女性は、少女マリアとエメラダだけ(まあエメラダは終盤、成長してエリィサイズになりますが……)。あとは非操作キャラとして、マルーがいるぐらいのもの。
 一方男性キャラは、操作キャラ・非操作キャラ含めているわいるわ。若いの、ちょっとトシ行ったの、渋いの、半ケモノなの(ごめんリコ……)とよりどりみどり状態。
 メカものということもあって、一見すると男性プレイヤーを対象としている作品に見えるんですが、プレイしてよりハマるのは、女性かも知れない……。こんだけ色んなタイプが揃ってたら、絶対誰か一人はシュミに合うキャラがいるという感じで。

 個人的に、私がイチオシだったキャラは男性ではビリー。2位以下としては、バルト・シグルド・そしてジェシー。女性では断然エメラダ(特に成長後)。カップルで押すなら、バルト×マルーが結構いいかな。純な雰囲気がなかなか。
 ビリーは何だか性格が悪っぽい割には素直で、教会の教えを信じ込んでたりするところが好きでした。あとアクションも、「あたれーッ!!」なんて叫んだりして、妙に可愛いぞ。戦う神父(でも若輩者)ってのがね、パターンだけど良かった。
 この子と父親・ジェシーの関係性も好き。「ゼノギアス」プレイしてて、最もテンションが上がったのがやはり、対ストーン戦でした。「神はお前自身の中にいるんだよ」ですねー。いいなあ、親父。その後人間砲弾しちゃったんで、「またスクウェアはキャラ殺してお涙頂戴かあーっ!!」と怒りまくっていたら、戦闘後、けろっと現れるじゃないか。あれでハマってしまった……「おお、いつものパターンと違うじゃん」と、スタッフ再評価してみたりして。(でも結局、ソラリスでは、エリィの両親が「いつものパターン」しちゃったんで、ううむと思ったけど……。しかしあそこは、エリィの両親よりも、ハマーの行動の方が、印象に残っちゃうんだよね。)
 エメラダは風貌が好きなんです。あと、クレスケンスの「どーやってコレで戦うつもりなんだ、ええっ?!」って感じのデザインも。大人になってからは、色気があってかっこいいし。あと女性キャラでは、マリアもけなげでかなり好き。マルーは最初、一人称「ボク」だったり、風貌と言動が一致しない感じで、「えーっ?」って思っていた時期もあったんですが、バルトとのイベントを重ねていくと、なんかいいなあと。あそこは将来は、かなりかかあ天下な夫婦になることでしょう。

「Goo」な部分その2……光田康典の音楽

 「前編」で断った通り、私は光田氏の楽曲が好きで好きで。今回の「ゼノギアス」でも、その魅力が遺憾なく発揮されてて、非常に楽しめました。やっぱいい曲書くわ、この人。
 サントラでのタイトルで言うなら、ベスト5は「飛翔」「海と炎の絆」「風が呼ぶ、蒼穹のシェバト」「覚醒」「神無月の人魚」と言ったところでしょうか。でも主題歌になっていた歌の方もすごく良くて、改めて彼の才能の多彩さに感動しました。
 既存のゲーム音楽の「ノリ」というか「常識」というか、そういうのに囚われていない、自由な感じがしますね。「クロノ」の時にも思ったんですが。……結構、「RPGの音楽と言えば、フルオーケストラ」というパターンが世の中一般的な部分がありますでしょう。(すぎやまこういちは勿論、植松伸夫ですら、大事なシーンの曲ほどオーケストラで鳴らす)結局、機械でオケの音を真似して作った音色を鳴らすのが中心になっちゃってて。でも光田さんって、平気でオケ風の音と、シンセならではの音とをくっつけてしまうんですよねー。発想が自由な方なんでしょう。
 特にお気に入りな曲の詳細については「ゲーム音楽つれづればなし」の方に書きまくったので、そちらをご覧下さいませ。

 ところで……サントラのライナーノーツに、かとうまさと氏の談話として「クロノ、ラジカル・ドリーマーズ、そしてこのゼノギアスと……」という箇所があったんですが……「ラジカル・ドリーマーズ」って、何……?ご存じの方がいらっしゃったら、どうか教えて下さい。ファンとしては全仕事を押さえたいのに……全然知らなかった、このお仕事(涙)

「Boo」な部分その1……音楽の使われ方

 ことほど左様に、私が入れ込む光田氏の音楽ですが……実は、ディスク2問題を除けば、私が最も「ゼノギアス」で不満に思ったのが、その音楽の使われ方です。
 まず、そもそもの楽曲数が少なすぎます。平均総プレイ時間が60時間以上はあるゲームなのに、全43曲というのは、あまりにも少ない。もっとプレイ時間が短くて済む「FF7」ですら、85曲という豊富さなのを考えても、最低でも60曲ぐらいは必要だった筈です。
 絶対数が足りないもんですから、いきおいゲーム中に、同じ曲を何度もかけるハメになってしまう。ゲーム後半はほとんど、同じ3.4曲をぐるぐる繰り返しかけていることになる(まあ、サウンドノベルなんだから、それでいーのかも知れないけどさ)。ダンジョンの曲なんか、「黒月の森」「侵入」「氷の顎」の3つしかなかったような……。
 それでもまあ、町やダンジョンの曲の使い回しには、ギリギリ目をつぶってもいいけど、印象的なイベントの曲を、あっちこっちで使い回すのはやめて欲しかった。個人的にはベスト1の曲「飛翔」が、チュチュ初巨大化でかかる、ゼプツェンVSアハツェンでかかる、碧玉要塞浮上でかかる、ソラリス潜入でかかる、アニマの器ダンジョンへ向かう時のプロローグでもかかる、しまいにはGエレメンツの合体でもかかる!敵味方全く関係なしです。ラストイベントの、ゼノギアスがゼウスを追って飛翔するシーンにまでこれが出てきた時には、もう笑ってしまいました……ジョーの店でかかってる分は、ギャグなんで別にいいんですけどね。
 プレイヤーによってシーンの進行速度が異なるゲーム音楽では、イベントシーンの終了時に、「ベストタイミング」で曲が切れるようにするのは、とても困難です。それは分かるんだけど、何かあまりにも「ぷつ。」と唐突に切れる箇所が多かったのも難点。アニメシーンやCGムービーシーンなど、尺がきっちり決まっている所では、絵コンテとシンクロさせた専用の曲を書き下ろしてもよかったんじゃないでしょうか。
 でもサントラのライナーノーツで、ディレクターの高橋哲哉氏が「楽曲は、これまで全く意識の端にも上がったことはない」と、ひっでーことを白状していたので、何か納得。次はちゃんと考えてやってくれー……。

「Boo」な部分その2……ヒロインの位置

 主人公カップル、フェイとエリィには、様々な前世があって、これが5度目の転生、そして最後の転生になる訳ですが(高位存在が解放されたし、「接触者」の役目を終えたのだから、もう無茶な転生はしないでしょう)。「前世→現世」のつながりというのがね、魂が同一というのまでは分からないでもないんだけど、何も「性格」まで酷似させることはなかったと思うんですよ。エリィとソフィアの話なんですが。
 回想を見る限り、キム、ラカン、フェイってのは、結構性格はそれぞれ違って見えるんですよね(アベルは一瞬しか出てないので分からないが)。「接触者」としての魂は同一でも、それぞれ「人格」は別なんだから、それは当然のことだと思うんですが。
 けど、エリィの方は。ディスク2に入ると、エリィの性格が何か豹変しちゃって、いきなり「聖母ソフィア」になってしまうんですよね。これが私には、不満だった。いくら魂が同じだからって、何もソフィアのような「みんなのママ」になってしまうことは、なかったんじゃないかなあ、と……。ああいう表現をとられると、元のエリィらしさが、何処かいってしまった気がして(というか、前世のソフィアの意識に、魂を乗っ取られたようにすら見える)。
 そのくせ、人質にとられたフェイの元へ駆けつけたりする、生身の女っぽさを出したりして。だったら元のまんまにしとけばよかったのに……。あそこまでの「聖母再来」ぶりを示さなくても、エリィが本来秘めている母性の優しさを示すエピソードぐらい、いくらでもやれたような気がする。
 それと、どの時代においても、エレハイムという女性は、「接触者」を庇って先に死んじゃうんだよね……。毎回毎回「あなたは生きて……!」って言い残されるのは、男性の立場としては、かなりイヤなんじゃないかと思うんだけど、どうなのかなあ。
 でもこの点に関しては、オーラスでエリィ自身が、「私は死んでも、あなたは生きて」というのは、結局不幸なんだ、何としても二人で生きなきゃ意味がないって気が付いたので、すごくよかったです。このフォローのあるなしで、彼女への評価がだいぶ違ってくる気がする。

最後に雑感

 延々長くなってますが、やはりこうして振り返ってみると、決して嫌いな話ではなかったんですよ、ゼノギアス。上に言ったような不満の他にも、結構主役二人……フェイとエリィの言うことがころころ変わりがち(……。)だったりする箇所もあったりしたのですが(やはり、大ざっぱに言って「励ます役」と「励まされる役」に、ある程度役割分担をしちゃった方がよかった気がする。さっきまで自分に自信を失ってた人が、いきなり次のイベントで、相手を励ましちゃってたりしてるとねー、何かねえ。)……でも物語そのものは、割合良くまとまっていたし。
 死人の数は、「人死にだらけ」スクウェアRPGの中でも史上第一でしょうが。何せ、町とかにいるモブキャラのほとんど全員が、死んでるんだもんな。その辺を案外淡々と描いてしまうところは、凄かった。よく誰も止めなかったもんだと、変な感心をしてしまった程です。
 だから、ディスク2問題さえなければ……と、かなり惜しさを感じます。同じスタッフが同じシステムでまた、ゲーム作ったら、やっぱり買ってしまう気はするなあ。そん時は高橋さん、もーちょっと音楽に気を配って下さい。


(注)『ラジカル・ドリーマーズ』
その後の調査で、これが実は「任天堂サテラビュー」対応のソフトであったことが判明(与志さん、情報ありがとうございました!)。なんでも『クロノ・トリガー』の正式な続編に当たるソフトとのこと。魔王とサラのその後のエピソードを描いたサウンドノベルのゲームです。脚本は加藤正人氏、音楽は勿論光田康典氏。
そしてその後、いとう氏のご厚意により、何とネット初?の「ラジカル」サイトがこうして生まれたのでした。


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