「XI」オススメの理由(前編)

データ プレイステーション用ソフト 1998年6月発売
定価¥4、800(税抜) SCE

最初は軽い気持ちから……。

 いつでも「何かおもしろいゲームないかな〜」と、ぼんやり探し続けている人って、最近では結構多いんじゃないだろーかと思うんですが、どうでしょう。かく言う私も、ご多分に漏れず、そのよーな人種の一人。
 今年に入ってから、ゲーム業界はとても静かで、「コレだ!!」っていうソフトも出て来ない感じで。何となく「手詰まり感」のようなものが、漂っている気がするんですが……そんな中、私が今回ご紹介するソフトも、出てきた時にはさほど、派手さ感はなかったように思います。むしろ、一見したところすごく地味。
 その名は「XI<sai>」。サイコロを転がして消して行く、非常にルールのシンプルなパズルゲームです。
 春の次世代ワールドホビーフェアなんかでは、SCEブースで一番力を入れていたソフトが、このソフトだったようですし、(雑誌記事で見ただけなんで、断言できないんだけど。)テレビCMも、相変わらずの「個性派」ぶりで、随分早くから打っていましたが。(「忠告はしておきましたからね」ってヤツ。)……やっぱり、何かかなり地味。ゲーム画面自体も、サイコロがごろごろしているだけで、一見しただけでは、なかなかピンとは来にくい雰囲気です。
 私がこのソフトを手にしたのも、非常に軽い気持ちから。私の母が、多少ゲームをする人なんですが、昨今のスピードの速いゲームは苦手、アクションはもっとキライというので、何かのんびり楽しめるゲームはないかと、探していたんです。そこへ現れたのが、このソフト。
 パズルでも、「テトリス」や「ぷよぷよ」のテンポでは「速くてついていけない」というウチの母に、ソフトショップのデモ画面で見た、このソフトのテンポは、ちょうどいいような気がしました。ルールもシンプルそうだし、これなら……と母に勧めてその気にさせて、買わせる。
 いつでも耳の早い友人ゲーマーからは、「サイ、いいよ!!」と強く勧められていたんですが……私自身は、あんまりパズルゲームにハマった経験もなく、母がプレイする合間にちょっと触らせてもらえればいいか、程度にしか思っていませんでした。今から思えば、私がアサハカでした。ごめん、フジちゃん←内輪ネタ。
 再三繰り返しますが、見かけは非常にシブい雰囲気のこのゲームですが、実際に触ってみると、おそろしい程の底の深さと、中毒性を持っています。停滞気味のゲーム業界に、久々に現れたホンモノのゲーム、という印象があります。

「手応え」の魅力

 何分、「触ってみて初めてその魅力が分かる」タイプのソフトですので、文章だけでその良さを伝えるというのは、非常に難しい部分があるんですが……ここで放棄したら「オススメの理由」もへったくれもないだろうと思うので、何とかやってみます。
 ルールは本当にシンプル、簡単。サイコロには1から6まで、6つの目があります。場に転がるサイコロを操作(主に転がすことによって、場所を移動させる)して、上に出る目の数を合わせて、消して行くのが目的のパズルです。
 ただこの「消し方」には法則があります。基本は「消したい目の数だけ、サイコロをくっつける」……2の目を上に出したサイコロを2つ、隣り合わせにくっつけると、そのサイコロが消えます。3の目なら3つ、6の目なら6つのサイコロを隣り合わせてくっつけなければなりません。この、消す動作を「バニッシュ」と言います。
 バニッシュしている途中のサイコロに、同じ目のサイコロを更にぶつけると、そのサイコロも消えます。これはバニッシュしたサイコロが消えきらない内になら、何個でもくっつけて、連続して消しまくっていくことが可能です。この動作を「チェイン」といいます。
 1の目だけは特殊です。これは、場に何個くっつけて並べても、それだけで消えることはありません。代わりに、バニッシュして消えて行く途中のサイコロ(何の目でも構わない)に、1の目をくっつけると、場に存在している1の目を上にしたサイコロがすべて消えます。これを「ハッピーワン」といいます。
 基本ルールは、この3つしかありません。……そして、何よりもこの、「サイコロを消して行く」手応えが最高に気持ちのいいゲームなんです。
 サイコロを場にごろごろと転がして、1つずつ移動させて行く。転がるたびに、サイコロの上に出る目は当然、変わっていきます。この法則性を頭に入れて、目的の位置で目的の目が上に出るよう、考えなければなりません。サイコロってのは、表側と裏側の目どうしを足すと、必ず「7」になるように、目が配置されています。(1の裏は6、2の裏は5、3の裏は4)この法則を把握して、直感的に動かせるようになるのが、上達の第一歩。
 うまく目を揃えると、コーン!という小気味いい音をたてて、サイコロはゆっくりと消えていきます。そこに新たなサイコロをチェインすると、更に、カシーン!と音が響いて、一斉にサイコロが消えて行きます。……この手応えが、何とも快感なんです。
 ここが、「触ってみないとわかりにくい」所以です。この手応えは、プレイを重ねて行くたびに増して行くもので、CM眺めて買おうか迷っている段階の人には、絶対に分かりません。だから、買え。←某スタパ斉藤風。
 また、たとえ買ったとしても、決して最初のとっつきがいいとは言えないのも、アピールしにくい部分かも知れません。先に述べたとおり、サイコロを消すには、ある程度「サイコロを転がして現れる目の法則」を把握していないと、難しい部分があります。ファーストプレイではまだ、その感覚がついてないですから、案外難しく感じてしまう。あの絶妙の「手応え」が感じられないまま、投げてしまう人もいるかも知れません。
 だがご安心あれ。思っているよりも早く、サイコロの動作には慣れるハズ。考えてるいる程、難しいものではないんです。そして一度コツを掴んでしまうと、あとはもう、一直線にのめり込むだけです。はじめの数回の試練を越えてしまえば、究極のハマリゲーが、そこに待っているのです。


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