ゲーム音楽つれづればなし(前編)

はじめに。

 「ゲーム音楽」なんて大雑把なタイトルつけてしまいましたが、実のところ、今回私がしゃべりたいのは、スクウェアの植松伸夫氏と、光田康典氏という、二人の作曲家についてです。しかも、先に断っておきますが、私は音楽に関しての専門知識は皆無です。中学生の時に吹奏学部に所属してたので、楽譜は読めますが、ただそれだけです。しかも楽譜用語もだいぶん忘れました。←……。
 そんな人間が、いったい何を語るつもりだ!と怒られちゃいそうですが……つまりは、「あの人のあの曲が好きなの〜!」というのを、ただ単にしゃべりたいだけなんです。つっこんだゲーマーさんなら、友達と学校やら職場やら電話やらで、よく「あのイベントのあの曲、良かったよね!」とか話し合うでしょう。でも私は、身近にゲーマーな友人がいないんす……でも「FF」や「ゼノ」の音楽についてしゃべりたいんす……。話す相手もいないから、勝手に一人でしゃべってるんすよ……。とほほ。
 何か激しく寂しい気持ちになってきたので、とっとと本題いきましょう。……あ、もひとつ断っておきますが、今回のしゃべりたがりは本当に「主観的感想」です。「批評」ではありません。ただ単に、私個人が「あれが好き」だの「あれはイマイチ」だのしゃべるだけなんで、読んで意見の相違を感じられる方も多いかと思います。でもこれはあくまで「個人の感想」なんで、いちいち目くじら立てないで下さいませ。「ふーん、こんなこと思う奴いるんだー」ってスタンスで読み流して下されば……って、いつものしゃべりたがりもまあ、だいたいそんなよーな感じではありますけどね。ははは。

基本的総論。

 私にとってはやはり、ある「ゲーム」を評価する時には、音楽という要素は無視できない、極めて重要なポイントだったりします。というか、音楽が自分の性に合わないと、どーもそのゲームを続ける気がなくなってしまう……。苦痛になってくるんですよね。逆におもしろいゲームっていうのは、やっぱり音楽も水準以上のものがあるような気がする……というか、「クリエイターがちゃんと音楽にも目を配っている」ようなゲームっていうのは、ゲームそのものもしっかりしていておもしろいんですよ。
 音の演出って絶対重要……特にストーリー志向のRPGだったら、どのシーンにどんな音楽を合わせるか、というセンスひとつで、作品に対する評価そのものが揺らいじゃうようなところが、私にはあります。すっごくいいカメラワーク、すごく響く台詞を配しても、そこにかかる音楽がダサダサだったりするともう、「やめようかなー。」という気分にすらなるものです。
 スクウェアのゲームをはじめ、「映画的演出」を目指すものが増えた現在、ゲーム音楽の果たすべき役割っていうのは、ますます大きくなってくる気がしますね。その意味で、ハードが進化して、音楽もいい音で慣らせるようになったというのは、歓迎すべきことですね。特にプレイステーションは音質いいゲームが多い気がする……。

 まあ、前置きはともかく。RPG好きなんで、ゲームにハマって以来この5年間で、結構色々やってきたんですけど……総論としては、「フルオーケストラ至上主義」から、そろそろみんな卒業してくれないかなー、と思ってるんです。今更ドラクエ(すぎやまこういち)の呪縛もないと思うんですけど……何か、圧倒的に「オーケストラもの」が多いんだよなあ。
 たいがいのRPGは、舞台がいわゆる「剣と魔法の世界」なもんで、音楽もそれに合わせて……ってつもりなんでしょうが、それも実は日本人の固定観念なのでは。だいたい、中世ヨーロッパに今のような編成のオーケストラって、存在してなかった筈なんだけど……。
 RPGも腐るほど作られている現在ですから、そろそろ「ファンタジーだけど、ギターサウンド」とか、そういう冒険やったっていいんじゃないかと思うんですがねえ。合わないことはないと思う。要はTPOとセンスなんじゃないかと。それがいつになっても、どのゲームやっても、基本的にはみんなフルオーケストラで、こう、壮大にどじゃーん!!とやってられると、何だか保守的だなあと思わずにいられません。
 まあこれには、私の主観も入ってはいるんですが。どうも私はフルオーケストラ曲って、何度も耳にしてると、だんだん飽きが来ちゃってダメ。特に金管ユニゾンが最悪。ストリングスはさほどいやでもないですが、壮大っ!!にやられると「……。」と思う。
 私の主観の話が出たんで、個人的な「音楽的好み」を言うと、スローテンポの「バラード系」よりかは、ノリノリ(死語)のアップテンポのが断然好きなんですよね。一番苦手とするのが、スローでフルオーケストラ。情緒たぁーっぷりに大合奏するフルオーケストラバラードって、ほとんど演歌の世界という気がするんですけどね……。
 んで、逆にアップテンポだったら、低音効かせたり、リズム派手に鳴らしたりして、音を「厚い」感じにアレンジしたやつが好きなんです。文句なしに盛り上がる系。だから大概のRPGでも、飛行船とか飛行竜とか、とにかく「空を飛ぶテーマ」というのは、お気に入りが多いですね。

 さて、こっから先はいよいよ、植松&光田サウンドのつれづれ話に突入するんですけど……基本の音楽趣味が上記のような有様なんで、ちょーっと世間一般の趣味からはズレる予感がしております。皆さんね、かるーく聞き流して下さい。特に植松ファンの方。

植松伸夫Goo&Boo

 植松伸夫と言えばファイナルファンタジー、ファイナルファンタジーといえば植松音楽。この関係はもう、切っても切れないものでしょう。少なくとも私にとっては、FFをプレイし続ける大きな要因のひとつに、彼の音楽の存在があるのは間違いありません。あの音楽がなかったら(別の作曲家だったら)、FFって相当違う雰囲気のゲームになる気がします。
 すごいなーと思うのは、FF以外のスクウェアソフトは勿論、他社のゲームでも、プレイしてると「あ、何かこれ、植松さんっぽい……」って曲に、結構出くわすことですね。日本のRPGゲーム文化の中に、既に「植松流音楽」っていうのが、1ジャンルとして成立しかけているというか。その影響力たるやものすごいもので、事実それだけのものを書かれますよね。
 ただ、これは以前、とあるスクウェア系ホームページで論争になってたんですけど、植松さんの音楽というのは、ものすごく優れた「劇伴音楽」なんですね。音楽と、その音楽が流れたシーンというのが、ほとんど切り離せない。曲を作る時点で、その曲が「在るべき世界」というのを、すごく意識されているのでは、という気がします。
 これは後期のFFになるほど、顕著になってきている気がします。それだけFFが「映画的」になってきている……「イベント」の占める重要性が高くなり、そのシーンの印象=ゲームそのもののイメージという構図が、決定的になっていることの現れでしょう。

 植松さんの音楽の一番好きなところは、これはもう誰もが言われることでしょうが、やはりその「美しすぎるぐらい美しい」メロディラインです。特に「泣き」のメロディは、「卑怯だよ、これ……」って言いたくなるぐらいすごい。
 ただ時々気になってしまうのが、メロディの美しさに比して、多少アレンジの弱さ……のようなものを感じることがある。良くも悪くも「王道」な曲を書かれる方だと思うので、私のようなひねくれた聞き手には、時折重く感じることがあります。うむ。

 以下は、私が全くの独断と偏見で決める「植松音楽ベスト5」です。ゲーム毎に5曲、選び抜いてみました。……「遅れてきたゲーマー」の私ですが、FFは一応、SFCの分は全部プレイしました。でも『FF4』はランキング作ってません。これはちょっと色々あったもんでねえ、ランキングどころじゃなくってさあ……。


ファイナルファンタジーVIIベスト5
ファイナルファンタジーVIベスト5
ファイナルファンタジーVベスト5
……本当はこの下にベタ書きするつもりだったんだけど、何か分量がぼーだいになりそうなんで、ページを分けました。
そうして全然入り切らなくなった、光田康典さん思い入れトークは「後編」へもちこし。

(注)「FF4は色々あった」
……まあつまりは、お定まりの「セーブデータ飛び」なんですけど。94年正月に初めてSFCを買った私は、『FF4』は中古でプレイしたんですが、この中古ロムのデータが飛ぶ飛ぶ。クリアどころの騒ぎじゃなかったという……それも「飛ぶポイント」が2つあって、1つはミシディア〜試練の山、もう1つはトロイア〜磁力の洞窟。前者はともかく、後者はほぼ100発100中で飛ぶので、そこから先に進まないという……。
その後、友人から「1回クリアしただけの、ほとんどまっさらなロム」を譲り受けてプレイしたんですが、これもやっぱり飛ぶ。ただ前の中古ロムほどじゃなかったんで、何とかクリアはできました。でも、保険の為に4つのファイル全部にセーブしといても、次に電源入れると2つぐらい消えてるんだもん。おかげでクリアした時には感動もへったくれもなく、ただひたすら「無事に終わった……」という気持ちでいっぱいでした。
そんなんだから、音楽もちょっと……オープニングの「赤い翼」出撃シーンとか、見るたび腹が立ってねー。(だって「タイトル画面でボタン押したら、いきなり赤い翼」っていうことが何度あったか……)
教訓。ロムカセットのRPGで一番大事なものは、「1にリチウム電池、2に損傷してない端子」。以上。
最後に私と私のSFC(本体)の名誉の為に付け加えておくと、中古ロムでもそこまでセーブで死んだのは、後にも先にも『FF4』だけです。『弟切草』とか『スレイヤーズ』とか、古いの幾つかやってたけど、別にセーブで困ったことなかったし。要は私と『FF4』の相性がとことん悪かったんでしょう。


ゲーム音楽つれづればなし(後編)へ

つれづれゲームレビュー / ラジカル・ドリーマーズの小部屋