「ラジカル・ドリーマーズ」バトル講座

 「サウンドノベルなのに、バトルがある!」というシステムを持ち合わせているこのゲーム。これによって、アドベンチャーゲーム的要素がいっそう深まり、プレイに緊張感を与えてくれます。
 とは言え、実はシステム的には、普段のサウンドノベルと何ら切り替えがある訳でもなく……ただ単に、選択肢入力時に、リアルタイムの判定がある、というだけ。操作(というか、とるべき行動を左右)できるのも、主人公のセルジュだけ。立ち回りの如何によっては、いいところで仲間が助けてくれたりするという程度のものなのであります。これまでの説明が大雑把すぎて、ニュアンスが伝わってなかったようですね。すみませぬ。
 けれど、臨場感あふれる文章で表現される「ゲーム的戦闘シーン」というのも、なかなかオツなものであったりします。文章の感じから言っても、戦闘シーンはただ一人の筆になるものではなく、何人かで手分けして書かれている様子ですね(言葉の使い方が違うんだよね……)。
 その中から、幾つかを選んでアップしてみました。ぜひ、当ページのMIDI「戦闘」をかけながら、お楽しみください。(こんなに引用しちゃって、スクウェアに叱られたらどーしよう(笑……えない))


対グリフォン戦  対ゴブリン戦  対ゴースト戦 

対スケルトン戦  対ゴブリン警備兵戦(イベントバトル)


対グリフォン戦

 闇をひき裂く突然の叫びに、ボクの全身の血が凍る!
 巨大な、真ん丸の、赤い狂気の瞳が、まっこうからボクを見すえていた!
 グリフォン……!!
 ボクはあわてて腰のナイフに手をやる。
 しかし、ナイフを抜き出すよりはやく、グリフォンの鋼鉄のような翼が、うなりをあげて飛んできた!
 ボクは、ふっとび、床に転がった!
「ぐっ……!!」
「だいじょぶか!?セルジュ!?」
 体のあちこちが、悲鳴をあげている。
 苦痛のうめきがもれそうになるのを必死にこらえ、ボクはなんとか立ち上がった。
 ふと顔を上げると、そこにグリフォンの巨大な体があった。
 真紅の丸い目が、じっとボクを見下ろしている……。
 やばい……!!どうする!?
・跳びすさる。
・ふところに飛び込む
・その場でしゃがむ。

 (「ふところに飛び込む。」を選択)

 とっさの判断で、ボクはグリフォンのふところに飛び込んだ。
 ボクの頭上をかすめて、グリフォンの鋭いくちばしが宙を切り裂く!
 間一髪で、ボクはグリフォンの攻撃をかわした!
 凶悪な赤い瞳にみつめられながら、ボクは必死の思いでナイフを握りしめた!
・戦う!
・身を守る!
・逃げだす!

 (「戦う!」を選択)

 ボクは、ナイフを逆手にもちかえると、渾身のちからをこめて、グリフォンの首にふりおろした!!
 しかし、グリフォンが急に首をふりまわしたため、ナイフははじき返されてしまった!
 く……!!
 反動で、ボクは床に転がる!
 ナイフを落とすまいと、しびれた手で必死ににぎりしめる。
「動くな、セルジュ!!」
 背後で、キッドが叫ぶ。
 いきなり飛び上がったキッドがボクの肩を踏み台にして、大きく宙に飛んだ!!
 ドキャッ!!
 グリフォンの側頭部に、キッドの必殺空中飛び膝蹴りが決まる!!
 あんぎゃーーー!!
 苦痛に身をよじるグリフォン!
 キッドに踏みつけにされて床にはいつくばったボクを、怒りくるったグリフォンの冷たい目が見下ろしていた。
 ウソ……。
 やばい……!!どうする!?
・跳びすさる。
・ふところに飛び込む。
・その場でしゃがむ。

 (「その場でしゃがむ。」を選択)

 とっさの判断で、ボクはその場に、はいつくばっていた。
 グリフォンの前脚が、思いきり振り下ろされた!
「ぐッ……!!」
 鋭い爪が、ボクの後頭部をえぐる!
 頭の傷口を押さえながら、ボクは体勢をととのえ、グリフォンに向きなおった。
 凶悪な赤い瞳にみつめられながら、ボクは必死の思いでナイフを握りしめた!
・戦う!
・身を守る!
・逃げだす!

 (「戦う!」を選択)

 ボクは、ナイフを逆手にもちかえると、渾身のちからをこめて、グリフォンの首にふりおろした!!
 ぐがあ!!
 グリフォンは、苦痛に身をふるわせる!
 怒りくるい、首をふりまわすグリフォン!
 ボクはナイフをひきぬくと、床を転がってグリフォンからはなれた!
「ふせろ、セルジュ!!」
 背後から、ギルの警告が飛んだ!
 ボクは、あわてて床に伏せる。
 頭上を真っ赤な火炎が飛び過ぎる!
 ドキャッ!!
 グリフォンの胴体に、炸裂する爆炎!
 あんぎゃーーー!!
 グリフォンは、苦痛に身をよじる!
 炎に包まれ、床に倒れふすグリフォン!
 やった!!
 グリフォンを、倒した!!
 さすが、ギル!!
 ふーッ!
 安心のあまり、ボクはがっくり膝をついてしまった。

「ふう……」
 少しはやられたけど、だいじょうぶ。
 この程度の傷なら、まだまだ行ける。
「少しは、やるようになったじゃん。あん、セルジュ?人間、何事も、努力してみるもんね」
 キッドの瞳が、イタズラっぽく、キラキラ輝く。

(解説)
ランダムで発生する戦闘の中でも、割合「しくみ」がはっきりしているもののひとつ。
セルジュの行動と、仲間たちの行動が交互に描写されつつ進行していくのは、このゲームの戦闘の典型的なスタイル。
末尾に出るのが「セルジュの現在のHP残量」と、「キッドの好感度」を示すメッセージである。これはどの戦闘でも出現するが、このグリフォン戦以外では割愛する。
キッドの好感度は、戦闘に果敢に立ち向かっていくと、上昇するようである。

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対ゴブリン戦

 突然、キッドの歩みが止った。
「何かいる……」
 そのキッドの言葉で、ボクは辺りを見回してみた。
 前にも後にも何もいない……。
 一体、どこにいるんだろう?
 そう不思議に思っていると……
 壁が動いた!
 壁の一部が四角く切れ、回転する。
 そして、その壁の裏に巨体なゴブリンが張り付いていた。
 まるで戸板に張り付いた忍者さながらの登場だ。
「おまえらは!!!ご・ぶ・り・ん、だろ!!!」
 キッドが叫ぶ。
 ボクは、ゴブリンに間違いないと思った。
 ちょっと大きいけど……。
 現れたゴブリンは、計4匹。
 前後に2匹ずつ、逃げ道はない。
 後の2匹に向かって、ギルが走る。
 両手にナイフを持ち、前の2匹へキッドが躍り出る。
 ボクもナイフを抜き、男として、キッドの方へ走った。
 ドコッ!
 モーニング・スターのトゲトゲ鉄球が、床に激突!石畳を砕く!
 キッドは軽く飛び上がり、その攻撃をかわし、ゴブリンの振り下ろした手の上に降りた。
 ブスッ!
 キッドの右手が一閃!ゴブリンの左目にナイフが突き刺さった。
 後へ身を翻し、次の攻撃に備える。
 正しく、『蝶のように舞い、蜂のように刺す』戦い方だ。
 もう一匹のゴブリンが、ボクに向かってモーニング・スターを振り上げ、迫る!
・キッドのまねをする。
・後に跳び退く。

 (「キッドのまねをする。」を選択)

 ボクにもできる!
 攻撃の当たる寸前、ボクは跳躍した。
 鉄球が石畳を砕く!
 後は、その手に乗ってナイフを突き出すだけだ。
 ブスッ…
 ボクのナイフが、ゴブリンの左目に突き刺さる。
 後へ身を翻し、次の攻撃に備える。
 ヤッタ!!!ボクにもできた!!!
 感動が身体中を駆け巡る。
 いつも思ってた。
 キッドの戦い方は、カッコイイって。
 あんな戦い方ができたらって。
 それが今、できた!
「やるじゃないの」
 思いも寄らぬキッドの褒め言葉。
 ああ……幸せだ……。
「セルジュ!!!戦いの最中に惚けるな!!!」
 今度は怒られた。
「ホラ、来るぜ!」
 そうだった。今は、戦いの最中だ。
 鉄球を床から引き抜き、怒の咆哮をあげて突進するゴブリン。
・ナイフを投げ、その隙に腰に下げてるメイスを奪って背後に回る。
・攻撃をかわし、顔面に蹴り。怯んだところで心臓にナイフを刺す。

 (「ナイフを投げ〜」を選択)

 ボクはナイフをゴブリンの顔目掛けて放った。
 ブスッ…
 ゴブリンの右目に刺さる。
 その隙に走り込み、ゴブリンの脇を擦り抜け、メイスを奪った。
 両目を潰され、狂ったように暴れるゴブリン。
 その顔目掛けて、ボクはメイスを叩き突けた。
 グチャ…
 イヤな音がした……。
 頭蓋骨を砕かれ、目の前の怪物は床に倒れた……。
 周囲に戦いの喧騒はなく、どうやらボクのが最後の一匹だった。

(解説)
「世紀の尻敷かれ男」の面目躍如といった感じのバトル。←失礼な。
戦闘中にキッドに褒められて陶然となっている姿には、何だか涙を禁じえない……って、ラジカルのセルジュは元々は楽士なので、戦闘には全然不向きな人材だったのである。ここまで来るのには、さぞや長〜い道のりが……。
ここではうまいこと「キッドの真似」が成功しているが、場合によっては見事玉砕するパターンもあるようだ。

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